후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
九
そういうと、もう看護婦を手伝わして、繃帯を解きはじめていた。
しかし、黒吉は、傷の痛みどころか、あの蒼空を裂き、銀翼を閃めかして、漠々とした雲の嶺を乗り越えて行く飛行機の壮快な姿――そして、その飛行機からひらりと飛び下りる颯爽たる自分の姿――の想像に、我を忘れている始末だった。
「パラシューター」
「パラシューター」
黒吉は、その今聞いたばかりの外国語を、生れる前からの憧れの言葉でもあったかのように幾度も幾度も呟き続けていた。
また、見られるであろうあの空の白日夢。俺は、こんどどんな幻を見るだろう……。
(もしかすると、葉ちゃんと俺とが……)
胸がどきどきと昂まって来た。
妖しい幻影の魅力!
彼は、眼がくらむほどゾクゾクと興奮し、上気していた。
由子は由子で、
(高給取りになった黒吉)
を想像して、乳首に痛さを感じていた。
九
それから一ト月とは経たぬ頃、醜い、しかも片足のない無気味な小男が、「柏木航空研究所」の受付を訪れた。
いうまでもなく、それは鴉黒吉であった。
受付の男は、この怪物のような小男が、パラシュート志願と聞いて、笑い出す前に、あきれ果ててしまっていた。