후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
といっていた。諸口さんはそれについて何かいやあな気持を感じているらしく、そんな素振りを私も感じないではないけれど、私は、
(人のことなんか――)
とわざと知らん顔をしていた、というのはお察しの通り私は諸口さんが好きであったのだ。で、青木――丘子のコンビがハッキリすればするほど……私もねたましいとは思いながら……それでも却ってあとに残った私と諸口さんの二人が接近するであろう、と、いかにも肺病患者らしい卑劣な利己的な感情を、どこか心の隅にもっていたからである。
×
今日も、食卓が片附られてしまってからも、四人はその儘で話しあっていた。その話は結局私の考えていたように、青木と丘子とが冗談まじりで話合っているのを、私と諸口さんが時々ぽつぽつと受答えする程度であった。
諸口さんは女学校を出たばかりというから十八九であろうか、花模様の単衣物に、寝たり起きたりするために兵古帯を胸高に締めているのが、いかにも生々しく見え、その可愛いい唇は喀血のあとのように、鮮やかに濡れていて眼は大きな黒眼をもち、その上いかにも腺病質らしい長い睫毛を持っていた。いまはようやく病気も停止期にあるというけれど、消耗熱の名残りであろうか、両頬がかすかに紅潮して、透通った肌と美しい対照を見せていた。