후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
春風の女
凛として、厳かなことばが、郁次郎の動作を、ぴたっと抑えた。
木立の蔭から、そう言って近づいてくる、羅門塔十郎と、そして東儀与力のすがたを見ると、郁次郎の顔いろは、もう生ける屍のように青白くなってしまった。
春風の女
人も知る山城国の四明ヶ岳にある含月荘は、前の黄門松平龍山公の隠居所であって、そこの怖ろしく高い物見櫓か塔のような楼上に、夕雲の纏る頃、一点の灯火がポチとつくと、京都の方からそれを望む者も、琵琶湖に舟を泛べて夜網にかかる漁師たちも、ひとしく、
「あ。黄門様の窓に灯火が点いた」
と、寂しい夜になったのを知るのであった。
それがまた、この九年間、少しも時刻を違えずに、暮六ツに点いて明六ツに消えるので、里人たちには時刻を知る便宜にもなっていた。しかし誰もその高い楼上に九年間も、まったく風月を友としている黄門龍山公のすがたを見かけた者はないということであった。彼等はただ、亀山六万石の豊かな人領を顧みずに、そこの雲中に独り住んでいる黄門様を遠く想像して、
「ご不幸な殿様だ」
「お世継がひとりもないので、自分もこの世に何の希望もなくなっておしまいなすッたんだろう」