후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
町の燕
と、何か強い感動に衝たれている様子だった。
「…………」
編笠はかろく顫えていた。彼は、いつまでもそこを去ろうとはせず、釘付けになったように、じっと立ち竦んでいた。――と思うまに、ほろり、ほろり、とその笠の裡から涙のような光がこぼれた。
町の燕
絞りの半手拭をチャンチキかぶりにした鳶のような男と、江戸見物のお上りさん然とした男とが、人混みに押されながら、湯呑場の隅で接待茶を飲んでいた。
と、絶えず、会場の中に、眼を配っていた一方の男が、ふいに袖を引いて、
「おっ波越、上役が招いているぜ」
「そうか」
と、あわてて接待場へ茶碗を返して、
「どこに?」
「例の蝋人形の飾ってある場所の横に」
「お、手を上げているな。さては何かあの前に、変った事があると見える」
鳶の者に変装した加山耀蔵と、江戸見物の男に窶した波越八弥の二同心は、群集の中を潜って、出陳場の囲いの蔭に手合図をしている東儀与力の側へ近づいて行った。
東儀は、人と人との間から、じっと、昂奮に燃える眼を据えていたが、
「加山か、おう波越も、あれにおる編笠の侍のどこかに見覚えはないか、どうだ」
と、密かに指を向けた。