후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
躍る捕縄
躍る捕縄
ざらざら……と、老先生の足もとへ、崖の赭土がくずれて来た。
はっと、うしろを振り顧ると、紫陽花の繁茂っている崖の中腹に、黒い、覆面の魔物が、肩先を見せて、逃げかけた。
おお! 悪魔の首領。
「待てっ」
老先生は、叫んだ。
紫陽花の花の中から、悪魔の眼は、ちらと、こっちを睨んだが、笑い捨てるように、かすかな表情をうごかしたと思うと、また一本! 老先生の眉間をめがけて、小柄を投げるや否、ざざざッと、崖の上へ、走り上がった。
「おのれ!」
と、塙江漢。
その一喝こそ、塙隼人の壮年時代から、鍛えぬかれたところである。「悪の仲間」をして戦慄せしめた、威力と正義の宣言である。
だッと、走り寄って、崖の下へ――。
同時に、
「ええいッ」
と、投げ上げた二丈の捕縄は、崖の上へ這い上がりかけた曲者の首すじへ絡みついた。旋回した分銅は、彼の首から、胴なかを、蛇のように巻いた。
が――曲者は慌てない。
太刀を抜きざまに、捕縄を斬り払った。そして、犬の如く跳躍して、附近の森のなかへ、姿を消してしまった。
いちどは、なおもと、追い足を飛ばしかけたが、老先生は花世の方が、気がかりでならなかった。