일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

菊池 寛의 真珠夫人(しんじゅふじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 289,296자 · 578화면

아오조라 문고

青木淳が臨終にあれほどの恨を籠めた筈の時計は、夫人に依って、意味のない一個の壊れ時計として、炉棚の上に、信一郎から預かった時以来忘れられていたのである。

夫人から、そんなにまで手軽く扱われている品物に就いて、返すとか返さないとか、躍起になっていることが、信一郎には一寸気恥しいことのように思われた。

が、夫人のあゝした言葉や態度は、心にもない豪語であり、擬勢である、口先でこそあんなことを云いながらも、彼女にも人間らしい心が、少しでも残っている以上、心の中では可なり良心の苛責を受けているのに違ない。信一郎は、やっとそう思い返した。

小間使は、探すのに手間が取れたと見え、暫らくしてから帰って来た。そのふっくらとした小さい手の裡には、信一郎には忘れられない時計が、薄気味のわるい光を放っていた。

夫人は小間使から、無造作にそれを受取ると、信一郎の卓の上に軽く置きながら、

「さあ! どうぞ。よく検ためてお受取り下さいませ! お預りしたときと、寸分違っていない筈ですから。」

夫人は、毒を喰わば皿までと云ったように、飽くまでも皮肉であり冷淡であった。

八

信一郎は、差し出されたその時計を見たときに、その時計の胴にうすく残っている血痕を見たときに、弄ばれて非業の死方をした青年に対する義憤の情が、旺然として胸に湧いた。