후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
。それらの間に挾まって雑用に廻ったのだ。あだかもその相手になるように、玉目トキが出て来ていた。彼女の場合は、主人の代理であると自分で云い自分で思いこんでいた。たとい玉目がどうあろうとも、この大切な仕事に参加しないでは、祖先の位牌に申しわけが無いと激しく思いつめた。彼女は自分のために生きているのでは無かった。家をたてて行くために存在しているのであった。それだけでぼッと昂奮してしまうほど血肉に浸潤し、こういう雰囲気になずんでいた。その上、彼女だけがありありと耳にすることの出来る声が、彼女の胎内で日々に大きくなっているのである。そのものは叫んでいた――そうあって貰わねばならぬ、やがて必ず幸福を取り戻す日が来るのであるから、と。
だから彼女は気が散らなかった。地しばりやおおばこなど、葉末に露をたたえた雑草をはだし足袋に蹴立てて歩いて行った。白い川面がとおくまで光っていた。朝あけの空をうつしたさざ波がそこの切り立った岸にぶつかって砕けていた。
そのあたりの一帯に船は着くのだ。たしかに河の出口にある古びた街であったけれども、仔細に見れば海からは少からず逆のぼって、鮭や鱒の漁場から川上になっていた。