후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
「何ですか?」と誰かが云った。
「ああ」と松岡は嘆息して首をおとした。
別のものが近い水辺を指さして云った。
「はや、もう船に乗って」
「帰りよるのか――」と他のものが上半身をのりだすようにした。
彼らの家族はその船に一ぱいになって、ゆっくり漕ぎだしたところであった。一船おくらした船着き場のものに向ってにぎにぎしく言葉を残し、あの風呂敷包みをたかくさしあげた。中流まで漕ぎだすと、西陽が彼女らの目を射るのだ。そこで最後の会釈をしてむこう向きになった。すると彼女らの心は自分らの草葺き小屋にとびこんでいた。船が着く。ひときわ明るい夕陽のなかに、彼女らはせかせかと歩いて小さくなって行った。
「みんな満足して帰りおる、さ、ね」とうれしそうに云った。それは門田与太郎であった。と、誰かが突きとばすように遮った。
「ばかなことを云うな!」
え?――という風に彼らはその声の方をのぞきこんだ。棟梁三谷三次であった。
「とにかく――」と松岡は促した。まッ先にかけ梯子をおりはじめた彼は頭の上にまた聞いた。
「棟梁はかざりものじゃねえ」
「そうとも、犒わなくッちゃ」
すかさずそう云って、松岡はぽんととび下りた。