후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
森 於菟의 耄碌寸前(おうがいのけんこうとし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 43,925자 · 89화면
に求められて執筆した随筆であるが、今その後の事情を追記せねばならぬ。これを書いたころ既にいわゆる大東亜戦争が始まっていたが、その結果として私個人としても未来の望みをかけて親しんだ多くの学生を失い、台湾の地は中国国民政府に帰属することになったので、台北の大学を中国の代表者に接収される場面にも医学部長として立ち会わねばならなかった。観潮楼の建物の主部をなした二階建の方は私に譲られたが前記のごとく昭和十二年八月十日の失火で全焼したが、その北西につづいた平家一棟は弟森類の住居として残り、そのほかに楼の外廻りの正門と籠塀と若干の庭木があったが、この戦争のために昭和二十年一月二十八日の夜、実に東京都最初の空爆によって、父の石像と若干の庭石および焼けただれた一本の銀杏樹を例外として一物もとどめぬことになった。
弟の家が戦火に見舞われる前からその家族は福島県喜多方町に疎開したので、その跡には私の三男礼於(当時東京帝大理学部物理学科学生)が級友の服部学、柴田浩両君と共に留守番かたがた寄宿していた。空襲当時服部君は郷里静岡県に帰省し、礼於は柴田君とこの家にいた。九時ごろから警報があったのがやがて未曾有の大爆撃となり、邸内に落ちた焼夷弾数個、その中二個は家屋に命中した。