후리가나로 읽는 일본 고전
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らんがくことはじめ
蘭学事始
菊池 寛
菊池 寛의 蘭学事始(らんがくことはじめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,575자 · 31화면
例えて申そうなら、彼の国のカピタンまたはマダロスなどに、湯水または酒を飲むを何と申すかと、尋ね申すには、最初は手真似にて問うほかはござらぬ。茶碗などを持ち添え、注ぐ真似をいたし、口に付けてこれはと問えば、デリンキと教え申す。デリンキは、飲むことと承知いたす。ここまでは、子細はござらぬ。なれど、今一足進み申して、上戸と下戸との区別を問おうには、はたと当惑いたし申す。手真似にて問うべき仕方はござらぬ。しばしば、飲む真似をいたして、上戸の態を示し申しても、相手にはとんと通じ申さぬ。さればじゃ、多く飲みても、酒を好まざる人あり、少なく飲みても好む人あり、形だけにては上戸下戸の区別は、とんとつき申さぬ。かように、情の上のことは、いかように手真似を尽くしても、問うべき仕方はござらぬ」
「なるほどな。ごもっともでござる」
玄白も、相手の返事の道理を、頷かずにはおられなかった。
玄白が、首肯するのを見ると、西はやや得意に語りつづけた。
「オランダの言葉の、むつかしき例には、かようなこともござる。アーンテレッケンと申す言葉がござる。好き嗜むという言葉でござるが、われら、通辞の家に生れ、幼少の折より、この言葉を覚え、幾度となく使い申したが、その言葉の意は、一向悟り申さなんだところ、年五十に及んで、こんどの道中にてやっと会得いたし