후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,575자 · 424화면
数時間後は、むかしの参宮街道を、車で走っている。黄塵ばくばくの中に、豊原、斎宮などという町の家並が過ぎてゆく。伊勢らしい在所風景、どの家も、商家らしいのに、戸は昼もおろして、しんと眠っているような田舎町ばかり。名古屋、東京の音響や時潮を頭にえがいて見て行く。こういう旅をしてみると日本も広いと思う。宮川の堤へ出る。堤に添って、丸太足場みたいな物がえんえんと組んであり、それに何万本とも知れない大根が干してあった。伊勢平野の夕日に染んでそれは壮観でさえある。“大根干し”の季題をおもい出したが、句にならないまに、山田市をすぎて、外宮につく。
内宮へ詣ったときはもう暮色。参拝中に、とっぷり夜になる。禰宜、神職おふたり提灯をもって案内して下さる。神宮の闇夜はちょっと世間にも山の中にもない澄みとおったべつな暗さという感じである。提灯の灯が橙色にこんな美しく見えたこともない。その眼で杉のこずえの星を見る。星はむらさき色だという子供の視覚は正しい。社家で薄茶をいただく。みんな喉が渇いていたような飲みっ振り。その間にと、筆墨や画帖をさし向けられる。これはこの先とも行く道々で覚悟しなければならない通行税かと気がついた。