후리가나로 읽는 일본 고전
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
下村 湖人의 青年の思索のために(せいねんのしさくのために)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,550자 · 203화면
旗じるし
一
それも、ただの本能的な愛に生きるのではなくて、苦労を重ね、練りに練ったあとに、心の至深所から湧き上って来る広大無辺な、自他不二の聖なる心に生きることなのである。
旗じるし
日々の生活において、つつましく自らを鞭うつものは幸いである。彼は、かくすることによって、真の自由を得、やがて一切に打勝つであろう、
一
佐竹義宣の家臣、忠野左文は、ある日、あたらしい背幟を立てて、諸将のまえにあらわれた。それには、墨痕あざやかに、「一足不去忠野左文」と記してあった。それは、戦場にのぞんでは一歩も退かないぞ、という彼自身の誓詞であったのである。
この背幟を見ては、彼の剛勇を知る諸将のなかにも、好感を持つものばかりはいなかった。
「幟の文句で主君に取り入る気か。」とか「強い犬は、めったには吠えないぞ。」とか、そうした蔭口が、そこからもここからも聞こえて来た。そして、彼に十分な好意を持った人たちですら、少々高慢が過ぎはしないか、と心配した。しかし、彼はそんなことには一向平気で、ただ背幟が耳のうしろで、はたはたと風に鳴るのを聞き入っていた。
ところで、その日の戦いは、不幸にして、佐竹勢の敗北におわった。