후리가나로 읽는 일본 고전
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まおうものがたり
魔王物語
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 魔王物語(まおうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,506자 · 23화면
六
「それは気の毒じゃ、なにしろ此処では、精しい話もできない、兎に角、私の家へ往ってからのことにしよう」
平太郎は女を伴れて布努村の己の家に帰って来た。僕の八蔵は眼を円くして足盥に水を入れて来た。女は極まり悪そうにしてそれで足を洗って座敷へあがった。
平太郎は更めて女の身の上を尋ねるつもりで、別室へ入って衣類を着かえて女のいた処へ往って見ると、女はいなかった。彼は不審に思って室の其処此処を尋ねたが、何処にも見えなかった。僕に聞いても知れなかった。……また妖怪かと彼は気が注いて苦笑した。
六
作平は稲生へ出入する猟師であった。彼は麦倉邸の妖怪の噂を聞いたので、某日平太郎の前へ往って、
「西行寺の薬師如来は、霊験のあらたかな薬師でございますから、其の画像を借り受けて、御信心なされますなら、どんな変化でも退散いたします」と云った。平太郎も妖怪の悪戯に困っている処であるから、
「それでは一つ頼もうか」と、云って承知した。
其の時はもう夕方であった。作平は稲生家を出て西行寺へ往ったが、途中で日が暮れてしまった。平生であったら月があるが、夕方から急に曇って来たので、路が暗いうえに其処は竹藪の間になった小路であった。