후리가나로 읽는 일본 고전
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まおうものがたり
魔王物語
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 魔王物語(まおうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,506자 · 23화면
三
「平太郎殿、私じゃ、私じゃ」と、権八が云ったので平太郎はやっと気が注いた。
三
朝になって僕の六助が前夜の妖怪の話を触れ歩いたので、其の日のうちに評判になった。平太郎の友人になっている武内伝吉、横井孫作、森川一平の三人が来て、今晩は寝ずの番をして妖怪の正体を見届けると云った。前夜の疲労のある平太郎は後を三人に頼んで置いて、己は一人別室へ往って寝た。
三人の者は行灯の前で、妖怪に対する意見を戦わしていた。
「なに、妖怪なんて云うものが、此の世の中にあるものか、一体ばかばかしいことじゃ」と、云う者もあれば、
「まあ、まあ、後学のために見て置くことさ」と、すまして云うものもある。
其のうちに夜は刻々と更けて往った。そして、丑の刻が満ちて来た。三人は話に飽いて口をつぐんでいた。と、何人かが、
「茶でも飲もうか」と云いだした。
室の隅には茶の道具が置いてあった。一人が起って往って茶碗を持って来ようとすると、茶碗がふいふいと空間に浮きあがって室の中を廻りだした。と、見る間に行灯がまた浮きあがって人が持って歩くように室の中を廻りだした。三人の者は口が利けなくなった。火鉢が続いて天井の方に舞いあがって灰がぱらぱらと三人の頭に降って来た。