후리가나로 읽는 일본 고전
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まおうものがたり
魔王物語
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 魔王物語(まおうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,506자 · 23화면
や庭の容を見きわめたうえで庭の垣根に蹄をしかけた。
それは十八日のことであった。夜になると重兵衛は雪隠の中へ入って、その小窓から蹄の方をすかしながら妖怪が来てそれにかかるのを待っていた。宵闇の空は薄く曇って糠星が一つ二つ淋しそうに光っていた。
夜は次第に更けて来た。冷たい風が首筋を撫でまわすように吹いた。重兵衛は小窓の枠に頬を当てて暗い中を見詰めていた。と雪隠の戸にめりめりと音がして、大きな棒のような手が来て重兵衛の首筋を引掴むとともに、外の方へ投りだしてしまった。
其の物音に平太郎は、妖怪が蹄にかかったであろうとおもって、隻手に手燭を点け隻手に刀を執って庭へ出てみると、重兵衛が垣根の傍へ倒れて気絶していた。蹄はと見ると昼間重兵衛がかけたままであった。
「おい、おい、どうした」
平太郎が肩に手をかけて揺り動かすと、重兵衛はやっと正気になった。
「あれや、狸や狐じゃない、天狗じゃ、天狗じゃ」と、彼は声を慄わして云った。
平太郎は運を天に任して妖怪と根比べをするより他に手段がないと思った。で、もう夜伽などしようと云う者があっても皆断って、一人冷然として家を守っていた。