일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 魔術師(まじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,264자 · 280화면

아오조라 문고

いやいや、不思議はそれに止まらぬ。もっともっと変梃なことがあった。もう不思議という言葉では足らぬ。不可能事だ。あり得べからざることだ。嘗つて人々は、密閉された寝室の中へ、朝毎舞い込む予告状を、云うばかりなく不気味にも不審にも思っていた。今は、それが紙切れなどではなくて、一箇の人間の首が、全く出入口のない部屋の中から消失せたではないか。いや、首どころではない。福田氏を殺害した兇賊自身は、抑もどこをどうして、室内に入り、又逃去ることが出来たのか、誠に魔術師の怪技と云う外はないのである。

勿論、この出来事は、巡査や玉村二郎や書生などの推理力の及ぶ所ではなかった。彼等はただもう血みどろの死体に仰天して、事の不思議さを理解する力さえない様に見えた。

だが、職業柄、巡査丈けは、流石にぼんやりしている訳にも行かず、嘔き気を我慢しながら、兎も角も死体に近寄って、無惨な切口などを取調べた。

鋭い刃物と、多分鋸とで、外科の専門家程ではないが、可成手際よく切断されている。そして、顔のあるべき所に、絨毯を染めた血の池が、ドロリと淀んでいる。

それから、巡査はベッドの下や家具の蔭などを、入念に覗いて廻った。