후리가나로 읽는 일본 고전
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
山本 周五郎의 おごそかな渇き(おごそかなかわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,042자 · 71화면
「きみは東京へゆくんだそうだな」
蓆を掛けて横になってから、竹中啓吉がきいた。そのつもりです、と隆二は答えた。敷いた寝藁と掛けた蓆と、そして炉の火とで、少し熱いほどあたたかかった。
「あそこはソドムとゴモラだ」と竹中はまじめな口ぶりで云った、「東京は邪淫と悪徳の巣だ、いってみればきみにもわかるだろう、そしてすぐ逃げだすだろうと思うね」
「そうかもしれません、けれども東京には水産講習所時代の知人がいますし、干飯崎のほうは破産して無一物になりましたから」
「干飯崎はきみの故郷ですか」と竹中が問いかけた、「いったいなにがあったんです」
「どこにでもあるつまらないはなしです」
くににいては、漁師や船員の遺族たちと、いつも顔を合わせなくてはならない、母もながい病院ぐらしのあげく、先月ついに癌で死んだ。これで自分の思うままに生きられる、という解放感にせきたてられるような気持で、故郷を出て来た。それは話してもわかってもらえないだろうし、また人に話すべきことでもないだろう。たとえ東京がソドムとゴモラのように、邪淫と悪徳の世界であるにしても、こんな山の中でも、この人の云うとおり、貪欲や不義不正や、貧困やみだらな肉欲の争いが絶えないとしたら、それがそのまま人間生活というものではないだろうか、清潔で汚れのない世界は空想だけのもので、