후리가나로 읽는 일본 고전
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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 中谷宇吉郎集 第八巻(『ケプロン・くろだのこうそう』について)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,890자 · 178화면
着物や家も、長い期間には消耗するが、食物とは大分意味がちがい、蓄積されるものである。そういう蓄積が、いわゆる文明の主な要素なのである。
それで一つの国について、その全生産量に対して、消費する食物が占める割合が大きいほど、生活程度が低くなる。あざらしの皮を着て、氷の家に住んでいるエスキモー人が、そういう意味では、一番生活程度が低く、食糧が全生産量の九割に相当するということである。
ところが、終戦直後の日本の状態は、生産が著しく落ちた。あの状態が今少しつづくと、日本は必要食糧が生産量の九割に相当するという程度、つまりエスキモーの水準まで落ち込むおそれがあったそうである。東畑さんの『一農政学徒の手記』に出ていた話である。
幸いにして、その後の再建が目覚しく、エスキモーになるどころか、大都市の消費面だけを見ると、戦前の日本よりも、もっと華々しいくらいだという。けっきょく案外に生産の復興が速かったわけである。しかし一つ心配になることは、その復興というのが、どうも朝鮮事変の「恩恵」によるところが多いのではないかという点である。というのは、朝鮮事変に限らず、世界情勢などとは、全然関係のない生活をしている人たち、例えば北海道奥地の貧農などは、エスキモー人と、そう変らない生活水準に落ち込むおそれが、全くなくもない。