후리가나로 읽는 일본 고전
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イタリアのことう
伊太利亜の古陶
宮本 百合子
宮本 百合子의 伊太利亜の古陶(イタリアのことう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,477자 · 31화면
四
彼は、滑稽に凋れて歎息した。
「悲しいことには金もなし、第一妻君の許可が出そうにもありません」
「ハハハハ。その許可ばかりは君の方から出させたくもなしだろう。ハハハハこれは愉快だ。――奥さん」
子爵は体を捩って、長椅子の婦人達に声をかけた。日下部太郎は、これに応えて向けた妻の笑顔が、いかにも儀礼に強いられたものであるのに、一向気付かなかった。彼は、辞し去る間際に迄、
「一寸。――お前先に……」
と云って側棚の前に立った。瞬間を惜む彼の瞥見に、疑問のジョルジョの皿は更にまじまじと、底深く煌く紅玉色の閃光で瞬きかえした。
四
自動車は、ヘッド・ライトの蒼白い光で、陰気に松の大木が見え隠れする暗い濠端に沿うて駛っている。
外界の闇や動揺に神経が馴れると、日下部太郎は忽ち、見て来たばかりのマジョリカのことを考え始めた。
彼は人知れず自負している通り、多くの古陶器愛好家などが陥り易い、病的な所有慾には煩わされていなかった。彼は寧ろ寛大な観賞家であった。彼は自分の購買力をはっきり弁えていたから、却って他人のところでこそ所謂世界的な名品を見たがった。そして、彼は、そのようにして見せて貰う逸品を自分のものひとの物という区別ぬきにして、心から愛し認め得る生れつきの朗らかさを持っていたのである。