후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
枯れたトウモロコシの茎が二三本、なにかの印のように立つているだけである。今日、生死不明のまゝ、彼の思い出に生きている人物の名前は、一人や二人ではない。しかし、ある程度心をゆるしたといえる通称「バイロン」の名を、いつまた呼ぶことができるか、京野等志は、万感交々いたるという面もちで、もういくらか白んで来た星空を仰いだ。
彼は、いつの間にか、省線の電車道を伝つて、西へ進んでいた。
が、この時、彼の東を電光のようにかすめた、ひとつの幻影に、彼は思わず立ちすくんだ。
高円寺が大部分焼けたという話は聞いていたが、その高円寺がもうすぐそこだと気がついた時、彼は、応召間ぎわまで往き来していた一人の女性、実は、この七年間、文字どおり夢にまでみつゞけた味岡小萩の家が、ひよつとすると残つていはせぬかという好奇心が、激しく彼をゆすぶつたのである。
たとえ七年前はどうであろうと、別に固い約束を交した間柄でもなく、最初の一年間はほとんど月になんどという割合で便りや小包が届いたのに、二年目からはぷつつりと音沙汰がなくなり、こつちからの手紙も梨のつぶてというかたちになつてしまつた。