일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면

아오조라 문고

そのアパートの玄関わきの二た部屋が、管理人とその家族のためにとつてあつた。父は、はじめ、その話をきくと、ちよつと意外なような、照れたような風であつたが、そのアパートの経営者が南条の親戚にあたる元伯爵の某だと知つて、急に、乗り気になり、殊に、最初の計画では、伯爵の家令が自分で管理を引受けるつもりでいたところ、主家に対する背任行為が暴露して、急に他から信用のおける人物を探すことになつたのだといういきさつを聞くに及んで、父は、おかしいほど南条に礼の言葉を繰返した。

さて、そういうわけで、父と母と、表面は貰い子ということにしてある赤ん坊とが、そのアパートに移つたあと、京野等志と、妹の多津とだけが、そのまゝ今までの二階に残るかたちになり、そうなると、たまには、外に出た真喜が遊びに来たり、兄の留守には、多津が風変りな友達を連れ込んだりするようになつた。その風変りな友達というのは、近頃、エロチックな小説を売り物にしている女流作家で、雲井秋生のところで紹介されて以来、親しい交際をするようになつたのである。

京野等志は、そういうことにかゝわりなく、家のことは一切妹の多津に委せきりで、毎週二回、鎌倉へ出かけ、そのほかは、たいがい、午前中から弁当持ちで上野の図書館へ通い、気の向くまゝに、新旧の書物を手あたり次第に読み漁つた。