일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면

아오조라 문고

それはなんのためかというと、彼のつもりでは、ふとなにかいゝことを思いつくためであつた。自分ひとりの頭で、あれこれと考えてみても、これから先の見透しもつかず、これならという生活の拠りどころも、しかとつかめないもどかしさに、彼は、腹をきめて、まず、眼界をひろげ、その視野のなかに、一点、光明を見出そうという計画をたてたのである。

彼の選択は、しかし、自然にある範囲に集中されて行つた。まず肺結核の治療に関する書物を片つぱしから読んでみた。医者の書いた専門的な研究から、素人患者の経験談に類するもの、さらに、相当の歴史をもつらしい結核患者相手の月刊雑誌に至るまで、ほとんど、あますところなく手にとつてみた。

彼は、そのつぎに、個人経営の各種農園の実態と、その経営の基礎となるような経済的、技術的な参考書を、ひと通り拾い読みをした。なかでも、彼の興味を最も強くひいたのは、養蜂事業であつた。養蜂に関する重要著書だけでも、二十幾種類かあつた。彼はその題名、出版元、著者名、発行年月を手帳に控えた。それから、彼は丸善へ行つて、欧米で発行されたこの種の書物をあらまし調べ、それだけでは満足せず、二、三の農科大学の研究室へ出掛けて行つて、直接、その道の専門家に質問を浴びせかけた。