후리가나로 읽는 일본 고전
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
直木 三十五의 南国太平記(なんごくたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 493,291자 · 991화면
一人の浪人は、腕組をして、じっと、乾いて行く墨の跡を眺めていたが
「よし、わしも、一首書き残しておこう」
と、云って、押入を開けて、小さい行李から、袖の無い半襦袢を出して来た。五六人のそうした浪人のいる二階では、富士春が、爪弾きで
そぞろ、身に沁む、秋の風
招く尾花につまされて
千草を分けて入る山に
夫恋う鹿の叫び鳴く
と、唄っていた。
「あの女も、この頃は、血の道だのう。よく、一人でめそめそと泣いておる」
と、一人が云いながら、筆に、墨汁を含ませた。
「富士春一人のみでない。天下、悉く、血の道じゃ。幕府の頓馬が、我々共の勢に恐れて、浪人組を作ろうなどと致しておるが、これも、血の道、逆上の揚句じゃし、又、これへ、食えぬからとて、応募しよる浪人があるが、此奴も、血迷っておるし――ええと
帝おもう至誠の弓を一筋に
引きて返らぬ武士の道
為王事水戸脱藩士 柴山壮蔵源正忠
わしの字は拙いの。これを着て斬られているのは、余り、ええ図ではないぞ――まあええ、引きて返らぬ、武士の道じゃ」
「益満の戻りが、遅いのう」
「斉彬公が、帰国なさったゆえ、それと、途中で、何か打ち合せしておるのかもしれぬ。