후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
が、それから暫くすると、神保町の道路に面したその部屋にも、窓から射してくる光線がすっかり秋らしくなっていた。彼は畳の上に漾う光線を眺めながら、時の流れに見とれていた。
一夏の燃ゆる陽ざしが あるとき ためらいがちに芙蓉の葉うらに縺れていた 燃えていった夏 苦しく美しかった夏 窓の外にあったもの
死別れまたたちかえってくるこの美しい陽ざしに
今もわたしは自らを芙蓉のようにおもいなすばかり
彼は鏡台とか箪笥とか、いろんな小道具に満ちた昔の部屋が、すぐ隣にありそうな気もした。だが、事務室の雑音はいつも彼を現在にひきもどす。その現在の部屋はいつまでも彼に安住の許されている場所ではなかった。『死』の時間は彼のすぐ背後にあった。
その年も暮れかかっていた、ある夕方、彼のところへKがひょっこり訪ねて来た。Kは彼の部屋に這入るといきなり、
『昔の君の下宿屋を思い出すな』と云った。学生時代の友人だったが、その後十年あまりもお互に逢うことがなかった。Kが近頃京都からこちらへ移転して来て、ある出版屋に勤めているということを彼も聞いてはいた。
『君は昔とそう変っていないよ』とKは珍しげに呟く。