일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

私が二度目の岩井繁雄と逢ったのは一九三七年の春で、その時私と私の妻は上京して暫く友人の家に滞在していたが、やはりSを通じて二三度彼と出逢ったのである。彼はその時、新聞記者になったばかりであった。が、相変らず溢れるばかりのものを顔面に湛えて、すくすくと伸び上って行こうとする姿勢で、社会部に入社したばかりの岩井繁雄はすっかりその職業が気に入っているらしかった。恰度その頃紙面を賑わした、結婚直前に轢死を遂げた花婿の事件があったが、それについて、岩井繁雄は、「あの主人公は実はそのアルマンスだよ」と語り、「それに面白いのは花婿の写真がどうしても手に入らないのだ」と、今もまだその写真を追求しているような顔つきであった。そうして、話の途中で手帳を繰り予定を書込んだり、何か行動に急きたてられているようなところがあった。かと思うと、私の妻に「一たい今頃所帯を持つとしたら、どれ位費用がかかるものでしょうか」と質問し、愛人が出来たことを愉しげに告白するのであった。いや、そればかりではない、もしかすると、その愛人と同棲した暁には、染料の会社を設立し、重役になるかもしれないと、とりとめもない抱負も語るのであった。