일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

ないのである。皆はそっと私を私の席にとり残しておいてくれるだけである。そこで私は机に俯向いた儘、自分の周囲に流れる空気に背を向けている。私は目には見えない貝殻で包まれた一つの頑な牡蠣であろうか。すぐそのまわりを流れている静かな会話や娯しげな笑声や、つまり友情というものの温気さえ――まるで、ここへはてんで寄りつくことを拒まれているように、凝と無性に何か我慢しているらしいのである。

☆その男は私の部屋にやって来て、長い脚を伸して横になっている。時々、鼻でボコボコという大きな息をしたり、あーいと、湯上りのような曖昧な欠伸をしている。そうかと思うと、間の抜けた声で流行歌を歌い出す。私は大きな棒が一本ここに転がり込んだように面喰らいながら、だんだん不機嫌にされる。何時になったら腰をあげるつもりなのだろうと焦々する。この男と暮していたのでは、こちらまで気持が堕れてしまうし、私は私の時間が浪費されるのをじっと恨みながら、我慢しなきゃならないのか。こんな相手は御免だと思いながら、いつもいつもこんな目に遇わされているので、そうすると、私はもう一生を空費してしまったもののように、茫として、とりかえしのつかぬ思いに身は痛くなるのだ。