후리가나로 읽는 일본 고전
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면
「伊勢の古市に実家があるという話、相さんも聞いたでしょう」
「うん、うちのやつからね」
「初めはもっと簡単だったんですよ、貯水池だの発電所などはなかった、猟犬が十二匹にペルシア猫が何匹とかいることを自慢にしてました、屋敷の広いことはいまと同じくらいでしょう、なにしろ生れた家でありながら、全部の座敷を見たことがないって、――そんな落語がありましたよね、屋敷の中をすっかり見てまわるには、弁当持ちの泊りがかりでなくちゃだめだっていう、あれよりもっと広いようなことを云うんですから」
彼が信じかねていると、あんた嘘だと思うのねと云って、あの微笑とあの凝視とで彼を釘付けにする。いいわよ、嘘だと思ってらっしゃい、いまにわかるから。女学校の話のときは、夜間大学の図書館でしらべてみた。すると虎ノ門女学校というのはべつに校名があり、校舎が芝の虎ノ門にあったのでそういう通称があったこと、またお茶の水は師範学校であったこと、などがわかった。津田塾のほうは光子の使うでたらめな単語で、通学したかどうかは疑う余地もないが、これらのことを彼が知ったとたんに、光子はそれを感じとって例の微笑と凝視を突き刺し、いいわよ、そう思ってらっしゃい、と云うのである。