후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면
扉の外にはまだ洗面の湯がきていなかったので、私は昨日の使い残りの水で顔を洗った。身仕度をして食堂へ下りていったが、食事の用意もしてなく、暖炉も焚いてなかった。その辺の様子を見ると、昨夜この家へ泊ったのは、どうも私ひとりらしい。
出帆時間の事を考えると、愚図愚図しておられないので、すぐ附近のカフェへいって軽い朝食を摂取った。丁度六時半である。それからソーホー街へ出掛ければいい時間である。煙草に火を点けて外へ出た私は、不意にカクストン氏に呼止められた。
「飯田さん、大変お早いですね。何処へ」
「鳥渡、柏のとこまで……」立入った事を問われて、私は少し不愉快を感じたが、秘密の要件を持っているので、口から出任せを答えた。
「それは丁度いい、私も柏君を訪ねるところだから、御一緒にゆきましょう」
私は詰らない事をいったと思って悔んだが、今更どうする事も出来ず、時間を気にしながら、柏の家までついていった。私は先に立ったカクストン氏が階段に足をかけた時、
「煙草を買ってきますから」といい棄てて私は四辻まで後も見ずに走った。兎に角、ソーホー街と反対の方向に来ているので、非常に急がないと時間に後れてしまう。