후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면
といいながら、手早くビアトレスに猿轡をはめて、部屋に続いた奥の寝室へ引立てた。
彼はビアトレスの手首を結んだ紐の先を、寝台へ括りつけた。
「いいかね、静かにしているんだ。若し騒立てて家へ逃帰ったりすれば、貴女のお母さんは生命を隕すことになるんだよ。解ったかね」男は境の扉を閉めて鍵を下すと、次の間で何やらゴトゴトやっていたが、廊下に面した扉に鍵の音をさせて、何処へか行って了った。
旅館の中は依然として無人の境のように静かであった。稍々西に廻った太陽が、赤く窓の桟の上に光を落していた。
ビアトレスは身動きも出来なかった。仮令彼女が死力を尽して猿轡を噛切り、縄を抜けたところで、男の残していった言葉が気になって、迂闊な事も出来ないように思われた。男の言葉はありふれた脅喝かも知れないが、どうやら彼の態度には真実を語っているらしい意味有りげな様子が見えていた。
ビアトレスは眼を閉じて、軽卒にも知らぬ男の電話にかかって、此ような旅館へ監禁された不甲斐なさを、今更のように歯癢く思った。
四
坂口はクロムウェル街を出て、V停車場を通りかかると、自動車から降りたエリスがあたふたと銀行の中へ入って行くのを見た。