일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかげのまち

幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選

松本 泰

松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면

아오조라 문고

坂口はビアトレスの口から、エリスの此数日来の振舞を聞いていたのと、そそくさと銀行へ入っていった様子が、如何にも訝しく思われたので、踵を返して彼女の後に附随った。

エリスは五百磅の金を引出すと、直に表へ出た。坂口は背後から声をかけたが、エリスは一向気が附かぬらしく、待たせてあった自動車に乗って疾走り去った。

坂口は首を傾げながら、ベースウオーター街の自宅へ帰った。心待ちにしていた伯父からの手紙も来ていず、ブラインドを下したままの部屋は暗くて陰気であった。

彼は窓に近い長椅子の上に横になって、ややもすると引入れられるような不安な心持を紛らす為に、積重ねた雑誌類を手当り次第に拾読していた。と、突然玄関の呼鈴が鳴った。坂口は椅子から飛起きて扉を開けに行った。

そこにはひどく周章てた様子でエリスが立っていた。

「貴郎大変です。ビアトレスが何処かへ行って了いました。私がいま他所から帰りますと、女中に宛てた置手紙があって、それには私から電話がかかったので外出すると、書いてあるのです。私は決して娘に電話をかけたことはありません。吃度何者かに誘拐されたのです」

坂口は顔色を変えて言葉もなくエリスの顔を視詰めた。