후리가나로 읽는 일본 고전
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 文藝別冊[総特集]岡本綺堂(いけぶくろのかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 72,671자 · 149화면
商売のことは手代の忠七が総て取仕切って引受けていた。お常は今年四十九の古女房であったが、若い時からの華美好で、その時代の商人の女房には似合わしからない贅沢三昧に白子屋の身代を殆ど傾け尽して了った。荷主には借金が嵩んで、どこの山からも荷を送って来なくなった。このままでいれば店を閉めるより他はないので、お常は一人娘のお熊が優れて美しいのを幸いに、持参金附の婿を探して身代の破綻を縫おうとした。数の多い候補者の中でお常の眼識に叶った婿は、大伝馬町の地主弥太郎が手代又四郎という男で、彼は五百両という金の力で江戸中の評判娘の夫になろうと申込んで来た。
お常は承知した。庄三郎は女房の御意次第で別に異存はなかった。しかし本人のお熊は納得しなかった。お熊は下女のお久の取持で手代の忠七と疾うから起誓までも取交している仲であった。今更ほかの男を持っては忠七に済まないと彼女は泣いて拒んだが、今のお常に取っては娘よりも恋よりも五百両の金が大切であった。彼女は母の威光で娘を口説き伏せた。主の威光で手代を圧え付けた。二人は泣いて諦めるより他はなかった。縁談は滑るように進んで、婚礼の日は漸次に近づいた。