후리가나로 읽는 일본 고전
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
泉 鏡花의 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集(うきふね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,938자 · 67화면
「恐入りますな。」
「さあ何うぞ。」
と云って莞爾した。が、撥を挙げて靨を隠すと、向うむきに格子を離れ、細りした襟の白さ、撫肩の媚かしさ。浴衣の千鳥が宙に浮いて、ふっと消える、とカチリと鳴る……何処かに撥を置いた音。
すぐに、上框へすっと出て、柱がくれの半身で、爪尖がほんのりと、常夏淡く人を誘う。
巽は猶関わず格子を開けた。
「じゃあ御免なさいよ。」
と、土間に釣った未だ灯を入れない御神燈に蔦の紋、鶴沢宮歳とあるのを読んで、ああ、お師匠さん、と思う時、名の主は……早や次の室の葭戸越、背姿に、薄りと鉄瓶の湯気をかけて、一処浦の波が月に霞んだようであった。
「恐入ります。」
婦は声を受けて、何となく、なよやかな袖を揺がしながら、黙って白湯を注いでいる。
「拝借します。」
と巽は其処の上框へ。
二つ三つ、すらすらと畳触り。で、遠慮したか、葭戸の開いた敷居越に、撓うような膝を支いて、框の隅の柱を楯に、少し前屈みに身を寄せる、と繻子の帯がキクと鳴る、心の通う音である。
「温湯にいたしましたよ、水が悪うございますから。」
「……御深切に。」
取った湯呑は定紋着、蔦を染めたが、黄昏に、薄りと蒼ずむと、宮歳の白魚の指に、撥袋の緋が残る。