일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면

아오조라 문고

「いや待て、まずい」

秀吉は、急にいいつけて、中村の惣領娘を、本陣へ呼びつけた。

父から旨をいい含められて、これに来ているほどな処女である。死ぬものと、清々しく覚悟をしているらしい。秀吉は殺すにしのびなかった。

――が、はたと睨みつけて、

「父の忠滋と肚をあわせて、わが兵をあざむいた憎い女子、首にして死骸は裏谷へ取り捨てろ」

と、近侍の者へいいつけた。

侍たちは、平井山の裏谷の上へ引っ立てて行った。秀吉はあとで、

「城兵にとっては可憐な女子。そのいじらしき者を、三木川で磔刑にしては、一層、城兵の結束と決死の気を強めさせるようなものになる。人知れず処置したほうが得策であろう」

と、大膳や味方の将に、意中をはなしていたが、実は、その間に、側臣の堀尾茂助をあとから裏谷へ追いかけさせて、その惣領娘は、遠く戦場の外へ逃がしてやっていたのであった。

このことは、誰も知らなかったが、三木落城の後、丹波で捕われた中村五郎忠滋の前に、その惣領娘を呼んで、

「そちに与える」

秀吉からひき合わされたので人みな初めて彼の仁心を知ったのだった。中村忠滋が、以後、秀吉に随身を誓ったことはいうまでもない。