후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
すると、敵味方のあいだに力戦していたチビ武者の石井彦七に向って、誰か、遠矢を射たものがある。或いは、流れ矢であったかもしれない。
ところが、矢は、何と、可憐なる彦七の鼻の下に中っていた。もちろん、どうと仰向けに倒れた。そこへ、駈け寄った小姓組の面々が、
「ここな、小僧めが」
憎さも憎しとばかり、折り重なって、生け捕りにして来た。
蹴ったり、引き摺ったり、ようやく秀吉の前まで引っ立てて来たのを見ると、無残や、鼻の下に深く突き刺さった矢はまだ抜けずにある。
余りに、幼いのと、その痛々しさに、秀吉が、
「待て待て、鼻の下の矢から先に抜いてやれ」
と、いった。
「心得て候」
と、一、二名の者が、矢に手をかけたが、鏃は骨に引ッかかっているとみえて、彦七のからだに、足をふみかけて引っぱってみても、抜ければこそ。
彦七は、顔じゅう血になりながらも、黙って、それに任せていたが、さすがに苦痛にたえかねたとみえて、秀吉へ、
「お仮屋の柱をおかし下さい。さもなくては抜けません」
と、訴えた。
どうする気と、彦七の意にまかせてやると、彼は立って、陣屋の柱に、自分の頭と胸いたを、縄でかたく縛ってもらった。