후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면
やがて光春の声が、ようやく内から聞えた。
「返書をとあるゆえ、認めてつかわすが、すぐとは参らぬ。使いの僧は、待たせておけ」
閉めてあるままのにじり口へ向って庭番は、
「かしこまりました」
と、ていねいに礼をして、草履の音も偸むように、露地の木の間を戻って行った。
その後は――
光春も、三名も、またしばらく、溶け合わない気もちのまま、じっと、黙りあっていた。
時折、どこやらで、ぽと、ぽと――と大地を撞木で叩くような音がした。その軽い響きだけがわずかにここの沈黙を救っていた。
梅の実がしきりに落ちるのであった。また梅雨雲がすこし断れたか、障子の腰へつよい陽ざしが不意に映した。
「どれ。おいとまして、退がろうではないか。……何やら御用の生じた御様子でもあれば」
友を促して、この機にと、四方田政孝が、退がりかけると、光春は、いま三人の目の前でつつみ隠す風もなく繰りひろげて読んでいた手紙を巻き返しながら、
「まだ、よかろうに」
ほほ笑みながらいったが、
「いや、おいとま仕ります」
「まことに、お邪げいたしました」
源右衛門も伝五も、袖をつらねて、次へ辷った。そしてあとの襖を閉めきると、やがて橋廊下の方に、薄氷でも踏みやぶってゆくような冷たい跫音を消して行った。