후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
「いやあの鎧だ、先年わたしが頂戴して手入れをしたから、感じなども違ってみえるかも知れない」
左近は膝の上に両手を置いた。
楠氏の甲冑はふるく家に伝わるものだったが、左近頼該はかねて正成公の遺烈を敬慕するあまり懇願してこれを貰いうけ、名ある工人に修飾させたうえ、座右にそなえてあるものだった。
「ときに……貞どの」左近はふと弟を見かえった、「このたびのお国入りの供のなかに、他家から紛れこんだ者がいるのだが御承知か」
「いや、なにも知りません、そのようなことがあったのですか」
「わがままなおたのみだが」左近は弟の反問を聞きながし、かたちを改めた調子で云った、「その他家から紛れこんで来た者を、貞どのの手で追放して頂きたいのだが」
「しかし、いったい他家の者が供に紛れこんだという、……そのことがよく解せません、それはどういう仔細なのでしょうか」
「簡単に云えば、甲辰のもつれの尾だ」
「…………」
頼胤はじっと兄の眼をみつめた。左近もやさしくその眼を受けとめた。そのときまで触れようとしては脇へそれていたものが、いまや二人の間にしっかとその姿をあらわしたのである。頼胤は唇をひきしめた。