후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
山本 周五郎의 日本婦道記(にほんふどうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,286자 · 16화면
三
育ちが低いのでどうかとあやぶまれたが、かな女は二千石の家政をみごとにきりもりした。その点では賢夫人と名に立ったくらいである。彼はいまでも覚えている、父が臨終のとき、ふと母のほうをふりかえって、――おまえとは三十五年もひとつ家に住んで来たが、とうとう一度も叱るおりがなかったな。そう云ってかすかに笑った。本当に三郎左衛門はいちどもかな女に荒いこえをたてたことがなかった。そういう母であったが、ひとつだけどうにもならぬものがあった、それはものに飽きやすい気質だった。老職の妻として教養を身につけたいという気持であろう、家政をとるいとまに茶の湯、華、琴、鼓などという芸事をずいぶん熱心にならった、また生得さかしい彼女はその一つ一つにすぐれた才分をあらわして、その道の師たちをおどろかしたものであるが、どれも末を遂げたものがなかった。もう一歩というところまでゆくと必ず飽きて捨ててしまった。ではもうやめるかと思うと、つぎには絵をやり連歌をならい、詩を勉強し、俳諧にまで手をのばした、そしてどの一つもついに奥をきわめるところまでゆかずに捨ててしまった。
三
加賀守綱紀はそのころ天下の名宰相といわれ、文治武治ともにすぐれた治績をあげたが、なかにも学芸には最もちからを注ぎ、名ある鉅儒名匠を招いておおいに藩風を振興した。