후리가나로 읽는 일본 고전
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
横光 利一의 日輪・春は馬車に乗って 他八篇(にちりん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,787자 · 177화면
「兄よ、旅の女が逃げ失せた。石窖の口が開いていた。」
「王よ。我は夫の死体を欲する者に与えるであろう。」と卑弥呼はいった。そうして、使部の膝から訶和郎の死体を抱きとると、入口に立ち塞った反絵の胸へ押しつけた。
反絵は崩れた訶和郎の角髪を除けると片眼を出して彼女にいった。
「われは爾に代って奴隷を撃った。爾の夫を射殺した奴隷を撃った。」
「やめよ。夫の死体を欲した者は爾である。」と、卑弥呼はいった。
「旅の女よ、森へ行け、奴隷の胸には我の矢が刺さっている。」
卑弥呼は反絵の片眼の方へ背を向けた。そうして、腰を縛った古い衣の紐を取り、その脇に廻った結び目を解きほどくと、彼女の衣は、葉を取られた桃のような裸体を浮かべて、彼女の滑かな肩から毛皮の上へ辷り落ちた。
反耶の大きく開かれた二つの眼には、童男の捧げた衣の方へ、静かに動く円い彼女の腰の曲線が、霧を透した朝日の光りを区切ったために、七色の虹となって浮き立ちながら花壇の上で羽叩く鶴の胸毛をだんだんにその横から現してゆくのが映っていた。そうして、反絵の動かぬ一つの眼には、彼女の乳房の高まりが、反耶の銅の剣に戯れる鳩の頭のように微動するのが映っていた。