후리가나로 읽는 일본 고전
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
中島 敦의 李陵・山月記・弟子・名人伝(りりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,013자 · 129화면
飢餓も寒苦も孤独の苦しみも、祖国の冷淡も、己の苦節がついに何人にも知られないだろうというほとんど確定的な事実も、この男にとって、平生の節義を改めなければならぬほどのやむを得ぬ事情ではないのだ。
蘇武の存在は彼にとって、崇高な訓誡でもあり、いらだたしい悪夢でもあった。ときどき彼は人を遣わして蘇武の安否を問わせ、食品、牛羊、絨氈を贈った。蘇武をみたい気持と避けたい気持とが彼の中で常に闘っていた。
数年後、今一度李陵は北海のほとりの丸木小舎を訪ねた。そのとき途中で雲中の北方を戍る衛兵らに会い、彼らの口から、近ごろ漢の辺境では太守以下吏民が皆白服をつけていることを聞いた。人民がことごとく服を白くしているとあれば天子の喪に相違ない。李陵は武帝の崩じたのを知った。北海の滸に到ってこのことを告げたとき、蘇武は南に向かって号哭した。慟哭数日、ついに血を嘔くに至った。その有様を見ながら、李陵はしだいに暗く沈んだ気持になっていった。彼はもちろん蘇武の慟哭の真摯さを疑うものではない。その純粋な烈しい悲嘆には心を動かされずにはいられない。だが、自分には今一滴の涙も泛んでこないのである。