후리가나로 읽는 일본 고전
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
中島 敦의 李陵・山月記・弟子・名人伝(りりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,013자 · 129화면
繿縷をまとうた蘇武の目の中に、ときとして浮かぶかすかな憐愍の色を、豪奢な貂裘をまとうた右校王李陵はなによりも恐れた。
十日ばかり滞在したのち、李陵は旧友に別れて、悄然と南へ去った。食糧衣服の類は充分に森の丸木小舎に残してきた。
李陵は単于からの依嘱たる降服勧告についてはとうとう口を切らなかった。蘇武の答えは問うまでもなく明らかであるものを、何もいまさらそんな勧告によって蘇武をも自分をも辱めるには当たらないと思ったからである。
南に帰ってからも、蘇武の存在は一日も彼の頭から去らなかった。離れて考えるとき、蘇武の姿はかえっていっそうきびしく彼の前に聳えているように思われる。
李陵自身、匈奴への降服という己の行為をよしとしているわけではないが、自分の故国につくした跡と、それに対して故国の己に酬いたところとを考えるなら、いかに無情な批判者といえども、なお、その「やむを得なかった」ことを認めるだろうとは信じていた。ところが、ここに一人の男があって、いかに「やむを得ない」と思われる事情を前にしても、断じて、自らにそれは「やむを得ぬのだ」という考えかたを許そうとしないのである。