후리가나로 읽는 일본 고전
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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
杉山 萠円의 東京人の堕落時代(とうきょうじんのだらくじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,226자 · 247화면
ところが見当違いである。本人は物好きでも社会主義者でもない。
近頃の東京の若い女、殊に自堕落な気分に浸る女の中には、そんな風な男を好く国もない。家もない。思想的に日本よりもはるかに広く思われる露西亜、政治上の最高権威者が労働者と一緒に淫売買いに行く国、婦人子供国有論が生れる国――そんな国にあこがれているために日本の社会から虐げられている青白い若い男……そんな男は小説を読む淫売なぞに特にもてはやされることをその息子は知っている。だからそんな風をするのだ。
……と知ったら、親はどれ位なげくであろう。
まだある。
机にかける布切り子やセルロイドの筆立て、万年ペンのクリップ、風呂敷、靴にまで現われている趣味を通じて、その子女が世紀末的思想から生れた頽廃趣味に陥っていることを見破り得る親は先ずあるまい。
その持っているノートの黒い小さなゴムの栞や、万年筆用の黒いクリップが、ナイフや針で文字を彫って、異性の家の壁や約束の立ち木やに隠して、秘密通信をやるのに便利な事を知っている監督者も先ずあるまい。
男のような字を書く娘、女のような字を書く息子が、変名を使って異性と通信しているに違いない事を看破し得る父兄もあまりあるまいと思う。