후리가나로 읽는 일본 고전
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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
杉山 萠円의 東京人の堕落時代(とうきょうじんのだらくじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,226자 · 247화면
不良老年の辣腕
象潟署保安係の某氏は記者にこんな事を云った。
「この頃、上流の堂々たる人が私に『珍らしい女は居ないか』とよく尋ねられます。私は熊本県人ですが、どうもそんな方面には暗いので、いつも返事に困ります」
と。記者がもし外国にこうした実例のある事を聴いていなかったならば、どんなに驚いた事であろうか。
彼等上流人士は、自分の財産や権力の魔力を自惚れた結果、神聖な警官を女衒と間違えるようになった。幸いにして吾熊本県人某君はこの誘惑にかかっていなかった。御蔭でこのような証拠を記者に掴ましてくれた。記者は満腔の敬意と謝意とを表しないわけに行かぬ。
しかし、東京市中のすべての警官が果してこの誘惑から免れているであろうか。彼の震災に続く大騒動と新警官の採用は、却てこのような誘惑に乗ぜられる機会を作りはしなかったろうか。
記者はその実際を見ている。
しかし判断は読者の自由に任せる。
不良老年の辣腕
かように東京の風紀頽廃の原因を煎じ詰めると、
「不良老年が悪い」
という事になる。不良老年とは所謂成功者、又は伝統的の有力者で、つまり上流社会に於ける相当の年輩の人々である。
今度東京で知り合いになった司法官や教育家――と云うと大層立派であるが実は刑事や学校教員――でこの事を口にせぬものは無い。