후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
「済まなかった」と六郎兵衛が云った、「帰るから勘定をしてくれ」
「もう頂いてあります」と女が云った、「お伴れさまから頂きましたし、お預かり分もあります、あちらでお渡ししますからどうかお立ちになって下さい」
「そうか」と六郎兵衛は云った、「では刀を取ってくれ」
「おれが持ってるよ」と横にいる男が云った、「店を出たら渡すから歩きな」
「用心がいいな」
「気違えに刃物は怖いからな」
「さぶ」ともう一人の若者が云った、「――さあいらしって下さい、お客さん」
六郎兵衛は立ちあがった。
店で草履をはくとき、女が盆にのせて釣銭を持って来た。六郎兵衛は、座敷を汚したからその代に取っておけ、と云った。女はそんなものはいらないと答えた。
「お伴れの方から預かったんですから、どうか持っていらしって下さい」女はそう云って、盆の上の物を包み、六郎兵衛の左の袂へ入れてやった、「ようございますか、ここへ入れましたからね、落さないようになさいましよ」
六郎兵衛は外へ出た。
店から十間ほどいったところで、刀を渡された。六郎兵衛はそれを腰に差すと、西へ向かって、杖を突き歩きだした。
――あの船頭たちは見ていた。