일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면

아오조라 문고

そう云えば薬師寺弾正と云う男は、管領畠山氏の家人ではあるが、その父の代から主人畠山氏を凌ぐ勢いがあり、時には陪臣の身を以て室町将軍の意志をさえ左右する権力者であった。彼がそう云う特別な地位に登ったのは、主として彼の父親の実力のお蔭で、彼自身は別段過去に花々しい武勲がある訳でもなく、専ら父が築いてくれた有利な地盤を蹈台にして、弁舌と、機智と、世才とを以て巧みに上長に取り入りつゝ下尅上の時勢に乗じたのであるから、大名とは云うものゝ、まあ半分は堂上方の風が身に沁みた長袖の亜流に過ぎない。いったい当時の京都の武士は将軍家を始めとして皆幾らかずつ公卿の感化を受け、惰弱な紳の生活ぶりを真似ていたので、弾正なぞも和歌が上手な割りに戦の方はそう得意でもなかったらしい。だから今度の城攻めにも総大将として出馬した迄はよいが、味方の優勢を恃み切って、自分は安楽に陣屋で眠っていたのであろう。法師丸が見たものは、つまりそう云う男の寝顔であった。

少年は、その、恐らくは弾正その人であろうと推定される人物の容貌に一種の物足りなさを感じた。成るほど此の男は一廉の大名らしい品格と貫禄とを備えているけれども、何だか優男じみていて、二萬の大軍に号令する武門の棟梁の威風がない。