후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
石川 欣一의 比島投降記(ひとうとうこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,333자 · 134화면
艦では午后になるとビールを売った。一本十仙で、別に制限はないらしい。Pはビールが好きだと見えて、毎日五、六本も買い込んでは飲んでいたが、時々僕に一本か二本くれる。冷凍室の入口、ロビイと呼ばれる小部屋においてあるビールは、適当に冷えていてとてもうまい。これは有難かった。
ルソン島の南端を廻って、目的地のカシグランに着き、海軍の士官二名と陸軍のR大尉とが上陸するのに、僕も通訳としてついて行ったが、ここが物すごい遠浅で、ボートが砂に坐り込んでしまい、四人ともジャボジャボ水の中を歩いた。用事を済ませて帰り、ズボンだけは余分のがあったのではきかえたが、靴は一足しかないので素足でいたら、Pがそれを見つけ、「代りをさがしてやるから一緒に来い」といって水兵の部屋へ僕をつれて行った。そして大きな物入袋をひっくり返し、新しい靴やシャツを取出しはしたものの、シャツの背中にステンシルした頭文字に気がつくと「ああ、いけねえや、こいつはまだこの艦に乗ってやがる」といいながら、泡を食って仕舞い込んだ。僕は「P、僕の靴は明朝になれば乾くから心配しないでくれ」といって、自分の部屋に帰った。