일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

吉川 英治의 治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,609자 · 362화면

아오조라 문고

戸狩の煙火師は憤った。

しかしそれは二十年も前のことなので、こんどの問題が、何もそこに起因しているわけではなかろうが、常にふくみ合って来た三州と信州とが、いよいよ、ある動機から火蓋を切って、双方で挑戦状を発した。

煙火試合!

甲の国と乙の国との煙火師が、星夜の空中を競技場として火焔の魔術戦をやりあうという例はこのほかにも珍しくはない。

――その結果であった。

戸狩全村をあげて、彼らが、冬から必死になって製作しているのは、三河との競技に、敵を驚倒さすべく、寝食を忘れて作っているものだった。

元よりこのことは、煙火師同士の争いとして、表面は藩の知ったことでないような顔をしていたが、裏面では敵方にも、本多侯がうしろ楯になっていたし、松代藩のほうでもまた、躍起になって、戸狩の者をべんたつしていた。

その三河信州、両国の煙火試合は、いよいよ今年の秋ときまった。場所は信州方から出張って三州長篠の原。――いわゆる煙火陣である。

実際それは、行る段になると、ほんとの戦のようで、小荷駄、押太鼓など、戦国の習慣どおり正々堂々と陣を布いて技術を戦わすものだった。その際、審判者は他国から長老の出場を仰ぐ。