후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
それなのに、なぜ家にハガキ一本の通知も寄越さなかったのであろう――。
だいたいこの叔父、細川三之助は風変りな科学者で、研究室に閉籠っていて世間とはまったく往来をしなかったばかりか、博士号をどうしても固辞して受けなかった、ということは聞いていたが、それにしても、倒壊した研究室から忽然と姿を消したまま、今日まで一片の通知状さえくれないでいた、というのは奇矯すぎるし、その上この夏の海浜に、美少女と携えてスマートな船を乗り廻しているなどということは、凡そ想像を絶する出来事だ。
中野が、唖然とするのも無理ではなかった。
唖然とした中野は、望遠鏡から眼を離すと、二三度眼をぱちぱちさせてその船の方を眺めていたが、そのまま圭さんにもことわらずに、その小高い葦簾張りの監視所を飛出すと砂浜を逸散に駈出していた。もっと傍に行って、たしかめたかったからである。
凸凹だらけの岩を越えると、その船がいきなり眼の前に浮んでいた。おかしなことには船名らしいものは何処にも書かれてなかった。が、しかしそんなことはどうでもよかった。デッキの人は――。
矢ッ張り、間違いもない叔父の細川三之助であった。