후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
海野 十三의 火星兵団(かせいへいだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 307,889자 · 618화면
僕は運がよかったというわけだね」
先生は、笑いながら、勝手をよく知った上にあがった。
弓形老人は大喜びで、新田先生をいろいろともてなしたが、先生が長い間、病気に倒れていたと聞いて、たいへん驚いた。
「そうけえ、そうけえ。まあなおって、ようがした。体が元のようになるまで、ゆっくりうちの湯につかって行きなせえ」
老主人は、いつに変らぬ親切を、新田先生に向けたことであった。
その親切が、新田先生の心を、かえっていたませた。これがいつもであれば、すっかり腰を落着け、のうのうとした気分で、湯につかっておられるのであったが、今度はそうはいかない。モロー彗星は、あと一箇月で地球に衝突してしまうのだ。この掛矢旅館ののんびりした気分も、三方を高い山に囲まれたもの静かな風景も、あと僅かでおしまいになるのだ。そう思うと、先生の心はかえって、暗くなる。老主人弓形氏は、モロー彗星のことなど、まだ何も知らないようである。この大地がくずれて、天空にふきとんでしまう最後まで、この人のいい老主人は、何も知らないで人生を終えるのではないか。
(これは何とかしなければならぬ!)
新田先生の同胞への限りない愛の心が、先生の血を湧きたたせる。