후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
島の者はむろん、旅の者まで集って、山の林には、凄惨な、ものものしさが騒いでいた。そのうちに、神社の掃除男や、社家の人々が、色をかえて、駈けて来た。
その人々のことばを綜合すると、きのう灯ともし頃、
(直美どの、海を見に行かぬか)
と、若い侍が、誘いに来て彼女を連れ出した。居あわせた者が、
(誰か)
と、訊くと、直美は少し恥かしそうに、
(離室のお武家さま)と、答えてうれしそうに出て行った。
で、深く注意もしなかったが、外に待っていた男は、編笠をかぶり、背丈もすがたも、離室に逗留している若い武家とちがいなかった。殊に、その紋までが、同じ、丸の一羽雁であった、という。
「よしッ、他言するな」
島役人は、その書上帳をつかんだまま、いっさんに島の山から降りて行った。そして、海辺の渡し口に立っている鮑売りの加山耀蔵に何かささやくと、嬉色をみなぎらして、すぐにまた、羅門塔十郎の宿所へ引っ返して行った。
同じ宿には、ゆうべ江戸から着いた、東儀与力をはじめ、屈強な部下が七、八名、姿をかえて泊っていた。
「もう、猶予はならん」
断乎として、羅門のくちびるから、決断の一句がつよく走った。