후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
吉川 英治의 牢獄の花嫁(ろうごくのはなよめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,213자 · 325화면
今、自分が遥か江戸からここまで尾けて来た怪女性が、いったい、何の用事があってあの山荘を訪ねるのだろう?
これが分らない。
それと八弥には、もう一ツ、その女が江戸表から姿を隠した花世か、或いは、彼女と似ているが実は全くの別人なのか、どうしても明確に判断しきれなかった。
花世か? 別人か? という一個不思議な女性は、女笛師殺しの捕物にかかって以来、幾たびとなく、事件の表裏に登場して、東儀与力をはじめ、南の捕手たちを翻弄した美魔であった、陽炎であった。
今――それは小半町ほど先の並木を、駕を打たせて、急いで行くのだ。
「ああ! きょうだ」
彼は、尾け慕ってゆく間も、いつになく、大きく胸が躍った。
花世か? 別人か?
また、彼女が含月荘へもたらす用向きが何であるか。
その二つの疑問が解かるるならば、女笛師殺しの用意ぶかい犯行と目的が、どういう巧妙な機構と伏線とに蔽われて行なわれたものか、急転的に闡明されて来るかも知れない。
やる! 俺はやる! 命がけでやる。
たとえ、不幸にして彼女が、自分の願わざる花世であっても、再び私情に囚われまい。別れた友、同役の友人加山耀蔵よ! 見ていてくれ。